2020年7月24日、滋賀県の霊仙山(りょうぜんざん)に登ってきました。
本当は北アルプスの蝶ヶ岳へ行くつもりでした。ところが雨で断念。日帰りでちょうどいい山はないかと探して、初めての霊仙山です。
この山にはひとつ、事前に聞いていた話がありました。ヤマビルが出るということです。
コースデータ
| 山 | 霊仙山最高点(1,094m)・霊仙山・経塚山/滋賀県米原市・犬上郡多賀町 |
| 日付 | 2020年7月24日(金・スポーツの日) |
| ルート | 駐車場〜榑ヶ畑登山口〜汗フキ峠〜霊仙山避難小屋〜霊仙山最高点〜霊仙山〜経塚山〜お虎ヶ池〜汗フキ峠〜駐車場 |
| 距離 | 13.1km |
| のぼり/くだり | 1,019m/1,098m |
| 行動時間 | 7時間28分(5:49〜13:18/うち休憩2時間41分) |
| コース定数 | 16(ふつう)/標準タイム4時間8分 |
| 標高 | 207m〜1,091m(GPSの記録) |
| 天気 | 曇りのち雨 |
| 同行者 | 友人と(2〜5人) |
熊とヒルの山に入っていく

5時49分に駐車場をスタートして、6時15分に榑ヶ畑(くれがはた)登山口。
入口で出迎えてくれたのが、この黄色い看板です。熊出没注意。ヒルの話を聞いてビクビクしていたところに、これでした。

登山口のすぐ先に、この建物がありました。
山小屋「かなや」です。榑ヶ畑ルートでは登山口を過ぎたところ、廃村のいちばん奥にあります(YAMA HACK)。
廃村です。榑ヶ畑にはかつて約50戸・160人が暮らしていましたが、1957年(昭和32年)に廃村になりました(Wikipedia「霊仙山」)。
この山小屋をやっていたのは、その集落の方だったのでしょうか。石垣だけが残る場所を歩きながら、そんなことを考えていました。
6時35分、汗フキ峠。名前のわりに、まだ汗は出ていません。ここから本格的な登りです。
カルスト地形と、琵琶湖

7時30分。樹林帯を抜けたら、これでした。
緑の斜面から白い岩がぼこぼこ突き出しています。不思議な山肌です。
霊仙山は石灰岩でできた山で、上部にはカレンフェルトやドリーネといったカルスト地形が広がります。「近江カルスト」の一角です。鈴鹿山脈のいちばん北にあり、北側には伊吹山が向かい合っています(Wikipedia「霊仙山」)。
ちなみに山名は、平安時代の僧・霊仙に由来するという説と、「霊山」=祖先の霊が籠る山という説があるそうです。

7時33分。振り返ったら琵琶湖が見えました。
白い岩の高原の向こうに、湖が広がっている。ここで一気にテンションが上がりました。
稜線は風が強いのか、木が低く這うように生えています。標高は1,000mちょっとしかないのに、もっと高い山に来たような気分になりました。

7時48分、草原の中にぽつんと鳥居がありました。
その先に小さな池。木も建物もない高原の真ん中に、鳥居と池だけがあります。何かいそうな感じがしました。
ガスの中で、同じ景色が続く

8時18分。山頂に近づくにつれ、ガスが濃くなってきました。
立ち枯れの木が霧の中に立っています。さっきまで琵琶湖が見えていたのに、20分で別の世界です。これはこれで悪くありませんでした。

8時24分、霊仙山避難小屋。
ここで大休止にしました。この日の休憩時間は合計2時間41分。行動時間7時間28分のうち3分の1以上を止まっていた計算になります。

止まっていた理由は、これです。
9時3分にステーキを焼き、9時12分にご飯を炊き、9時23分にはチーズダッカルビまで作っていました。避難小屋で1時間以上、料理をしていたことになります。
山の上でこれをやると、下界の何倍もおいしく感じます。外はガスで真っ白なので、景色を待つ時間としてもちょうどよかったです。

そして、ここからが問題でした。
霊仙山は迷いやすい山として知られています。実際にYAMAPのタグにも「迷いやすい箇所あり」が付いていました。
理由は歩いてみるとよく分かります。カルストの高原は木がなく、なだらかで、どこも同じような岩と草地です。晴れていれば遠くの山を目印にできますが、ガスの中では手がかりがありません。
この日もジグザグに歩きながら、なんとか山頂にたどり着きました。地図をダウンロードしていなかったら、けっこう危なかったと思います。

10時25分に霊仙山最高点、10時46分に霊仙山の山頂。
この山は最高点と山頂標のある場所が別で、最高点が1,094m、少し離れたところに三角点のある霊仙山があります。ついでに経塚山(北霊仙山、1,040m)というピークもあるので、山頂らしき場所が3つある山です。
景色は真っ白でした。雨が降り出す前に、と下山開始。13時18分に駐車場へ戻りました。
ヤマヒルの話
さて、タイトルの件です。
結論から言うと、自分はまったく無傷でした。一方、一緒に行った相方はたくさん噛まれていました。同じ道を同じ時間に歩いているのに、この差はなんなのでしょう。
霊仙山は、夏場や湿度の高い時期にヤマビルが多い地域として知られています(Wikipedia「霊仙山」)。この日は7月下旬、しかも曇りのち雨。条件としては最悪でした。
あとで神奈川県のページを読んで分かったことを書いておきます(神奈川県「ヤマビルにご注意を!」)。
- 活動期は4月から11月。特に6月から9月は生息密度が高く、雨の最中と雨のあとは活動が活発になる
- 人や動物が吐く息の炭酸ガスや体温で存在を知り、ほふく運動で近づいて付着する
- 市販の虫除けスプレーでも2〜3時間程度なら効果がある。専用の忌避剤はもっと長く効く
- あら塩を靴に塗り込むのも効果がある
- 忌避剤は足元を中心に、靴や衣類に塗る
- 吸血されたら、タバコの火を近づけるか塩をかけるとすぐ取れる。そのあと傷口から血を押し出してヒルジンなどを流し、抗ヒスタミン剤を塗って絆創膏でふさぐ
「足元を中心に」というのが大事なところだと思います。ヒルは下から這い上がってくるので、靴と靴下と裾が最初の防衛線になります。
この日の自分と相方の違いが、装備なのか、服の素材なのか、体質なのかは分かりません。ただ、対策の余地はいくらでもあったなと思います。次に梅雨どきの鈴鹿へ行くなら、忌避剤は必ず持っていきます。
まとめ
- 霊仙山は鈴鹿山脈の最北にある石灰岩の山。最高点は1,094mで、北側に伊吹山が向かい合っています
- 上部はカレンフェルトやドリーネのカルスト地形が広がる「近江カルスト」。琵琶湖の眺めも見事です
- 13.1km・のぼり1,019m・7時間28分。コース定数16の「ふつう」ですが、休憩を2時間41分取っています
- 山頂らしき場所が3つあります(最高点1,094m・霊仙山・経塚山1,040m)
- カルストの高原は目印が少なく、ガスの中では本当に迷いやすいです。地図のダウンロードは必須
- 登山口の榑ヶ畑は1957年に廃村になった集落跡。山小屋「かなや」が残っています
- 夏場と湿度の高い時期はヤマビルが多い地域です。忌避剤は足元中心に
- ヤマビルの活動期は4月〜11月、特に6月〜9月。雨の最中と雨のあとが活発になります
北アルプスに行けなかった代わりに入った山でしたが、これはこれで当たりでした。次はお隣の伊吹山に登ってみたいと思います。
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