2020年2月23日、友人と武庫川の廃線跡を歩いてきました。ただ、それだけだと短いので、阪急山本駅から中山と大峰山を越えてから廃線跡に入るルートにしました。17.5km、6時間26分です。
岩場あり、山ごはんあり、トンネルありで、内容が濃い一日でした。
先に注意点をひとつ
この記事の最後に出てくるJR福知山線廃線敷は、ランニングと自転車が禁止されています。コース内に照明もトイレもなく、通行は自己責任が原則です。トンネルの中は昼でも足元が見えないほど暗いので、懐中電灯が必須です(にしのみや観光協会)。
当日、僕は「トレイルランナーさんがいたから今度は走りに来たい」と思ったのですが、これはよくない考えでした。歩くコースです。
コースデータ
| 山 | 満願寺西山(361.6m)/長尾山/中山=中山連山最高峰(478m)/北摂大峰山(552m) |
| 場所 | 兵庫県宝塚市・西宮市(一部 大阪府池田市寄り) |
| 日付 | 2020年2月23日(日) |
| ルート | 阪急山本駅〜最明寺滝〜宝塚ロックガーデン〜満願寺西山〜長尾山〜中山〜大峰山登山口〜北摂大峰山〜桜の園〜JR福知山線廃線敷〜JR生瀬駅 |
| 距離 | 17.5km |
| のぼり/くだり | 1,084m/1,068m |
| 行動時間 | 6時間26分(8:43〜15:10/休憩1時間13分) |
| コース定数 | 29(きつい)/標準タイム7時間52分 |
| 消費カロリー | 1,907kcal |
| 天気 | 晴れ |
| 人数 | 2人(友人と) |
YAMAPのタグにも「迷いやすい箇所あり」が付いています。実際、山本駅から入るルートは岩場と枝道が多いです。
住宅街の裏に滝がありました

8時43分、阪急宝塚線の山本駅からスタート。

住宅街を抜けていくと、赤い橋と色とりどりの提灯が出てきました。この先に滝があります。

9時3分、最明寺滝。宝塚市切畑字長尾山にある落差約11mの滝です。三方を崖に囲まれていて、そこに至る道も狭くなっています。
名前の由来がおもしろくて、鎌倉時代に北条時頼が出家して「最明寺入道」と名乗り、この地に庵をつくったことから、この一帯を最明寺と呼ぶようになったのだそうです(Wikipedia「最明寺滝」)。
住宅街から歩いて30分でこの雰囲気になるのは、なかなかです。
宝塚ロックガーデンで岩登り

滝を過ぎるとすぐに宝塚ロックガーデンが現れます。
白っぽい岩が露出した斜面が、稜線までずっと続いています。手を使って登るところもあって、これが楽しい。テンションが上がりました。

登りながら振り返ると、宝塚の街が見えます。標高は300m台なのに、遮るものがないのでよく見えました。
ただ、この山本駅からのコースは、急な岩場とまぎらわしい小道があるので初心者向きではありません(Wikipedia「中山(兵庫県)」)。中山だけを目的にするなら、中山寺から奥の院を通るコースのほうが素直です。
満願寺西山、長尾山、中山

9時48分、満願寺西山。木にぶら下がっていた緑の板には、こう書いてありました。
最明寺 S-4 △361.6m
山崎縦歩会 2019.5.27.
YAMAPの表記は「満願寺西山」、板の表記は「最明寺」。どちらもこのあたりの地名です。滝の名前と同じ「最明寺」がここでも出てきました。

10時15分に長尾山、10時41分に中山(478m)。
中山は中山連山の主峰です。愛宕山(335m)と長尾山(302m)とあわせて連山になっていて、正式名称は「長尾連山」ですが、地元では中山連山と呼ぶことが多いそうです。山頂はこぢんまりした広場で、雑木林に囲まれていて北側以外の展望はありません(Wikipedia「中山(兵庫県)」)。
実際、山頂は静かな広場でした。三角点があります。
大峰山で、餃子キムチ鍋

12時16分、北摂大峰山(552m)。今日の最高地点です。
三角点が、積み上げられた石の真ん中に立っていました。誰かが積んだのだと思います。

ここで53分の大休止。新しく買ったラージサイズのメスティンを使って、餃子キムチ鍋を作りました。
中身は、王将の冷凍水餃子と、鍋キューブの固形スープの素だけ。これがめちゃくちゃうまかったです。うますぎました。材料を放り込むだけなので、また作ります。
ミニビールも持ってきていたので、一足先に乾杯しました。
反省点はシメです。残ったスープにラーメンを入れたら、スープがねっとりしてしまいました。生麺ではなく、インスタントかマルタイの棒ラーメンのほうが合ったと思います。
桜守という人がいました

大峰山から下り、林間広場、東屋と過ぎたあたりで、木彫りの像が立っていました。胴体に「サクラモリ」と書いてあります。
このあたりは「桜の園 亦楽山荘(えきらくさんそう)」という場所です。ここを作ったのが、笹部新太郎(1887〜1978)という人でした。
笹部は「桜博士」と呼ばれた人で、日本固有種の桜の保護育成に力を注ぎました。宝塚市切畑長尾山麓、いまの武田尾駅の近くに、桜の研究を行う演習林を造園しています。没後に荒廃しましたが、宝塚市が1999年に里山公園「桜の園」として再整備し、いまはボランティア団体が管理しています。1960年には水没予定だった樹齢推定450年のエドヒガンの移植を成功させ、その木はのちに「荘川桜」と名づけられました。1967年から水上勉が笹部をモデルに『櫻守』を毎日新聞で連載しています(Wikipedia「笹部新太郎」)。
あの木彫りの像は、そういう名前だったわけです。撮ったときは意味が分かっていませんでした。

すぐ横に石碑がありました。書き写します。
ふるさと桜づつみ回廊
さくらの名所 たけだお
誕生記念
兵庫県 宝塚市
「ふるさと桜づつみ回廊」は兵庫県の事業です。平成3年度から平成12年度にかけて、武庫川〜篠山川〜加古川上流〜円山川という、瀬戸内海から日本海までを結ぶ約170kmの川沿いを、約5万本の桜でつなぐという内容でした。その回廊上に「たけだお」「ひかみ」「きのさき」の3か所の「さくらの名所」が整備されていて、この石碑はそのひとつです(兵庫県「ふるさと桜づつみ回廊」)。
2月なので桜は影も形もありませんでしたが、春はきれいだと思います。また来ます。
昔ここを電車が走っていました

13時43分、JR福知山線廃線敷に入りました。
ここは旧国鉄福知山線の生瀬〜武田尾の区間です。1986年8月1日に新線への切り替えと宝塚〜三田の複線化が行われ、この区間が使われなくなりました(Wikipedia「福知山線」)。
その後は長く立ち入り禁止でしたが、2016年に自己責任を原則としたハイキングコースとして一般開放されました。約4.7kmの区間に、6つのトンネルと3つの橋が、当時とほとんど変わらない姿で残っています(にしのみや観光協会)。

トンネルは非日常感がすごかったです。入口から数メートルで光が届かなくなって、あとは真っ暗。照明はひとつもありません。懐中電灯を持っていないと足元も見えません。
武庫川の流れを聞きながら、トンネルをいくつも抜けて、だらだらと歩きました。急な登りもなく、道は平坦です。親子連れも外国の方もいて、河原にも人がたくさんいました。
15時10分、JR生瀬駅でゴール。乾杯はコーラでした。
1日に、いろいろ詰め込めた日
17.5kmの間に、鎌倉時代の名前が残る滝、岩登り、478mと552mの山頂、鍋、桜守の演習林、1986年に止まった線路が入りました。
廃線敷だけを歩くと4.7kmで終わってしまいます。前に山をくっつけたことで、こうなりました。距離を伸ばして正解だったと思います。
ただ、最初に書いたとおり廃線敷は走ってはいけない場所です。あそこは歩きましょう。走りたいなら、その手前の山側にいくらでも道があります。
まとめ
- 2020年2月23日、阪急山本駅からJR生瀬駅まで17.5km、6時間26分、のぼり1,084m
- 最明寺滝は落差約11m。北条時頼が出家して「最明寺入道」と名乗りこの地に庵をつくったことが名前の由来です
- 宝塚ロックガーデンは岩場が楽しい反面、山本駅からのコースは急な岩場とまぎらわしい小道があり初心者向きではありません
- 中山(478m)は中山連山の主峰。正式名称は長尾連山です
- 北摂大峰山(552m)で餃子キムチ鍋。王将の冷凍水餃子+鍋キューブで作れます
- 「桜の園 亦楽山荘」は「桜博士」笹部新太郎(1887〜1978)の演習林。水上勉『櫻守』のモデルになった人です
- 「さくらの名所 たけだお」は兵庫県の「ふるさと桜づつみ回廊」事業で整備された3か所のひとつ
- JR福知山線廃線敷は1986年に使われなくなり、2016年に一般開放。約4.7km、トンネル6つ、橋3つ。懐中電灯必須、ランニングと自転車は禁止
YAMAP記事はコチラ
大峰山・武庫川廃線巡り / 山走男さんの中山(中山連山最高峰)・北摂大峰山・満願寺西山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
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