2020年2月11日、友人と六甲山に登ってきました。阪急御影駅から石切道を通って六甲山最高峰へ行き、有馬に下りる12.6km、4時間56分です。
石切道は初めて歩く道でした。この道の名前には、ちゃんと理由がありました。
コースデータ
| 山 | 六甲山(931m) |
| 場所 | 兵庫県神戸市東灘区・灘区〜神戸市北区 |
| 日付 | 2020年2月11日(火・建国記念の日) |
| ルート | 阪急御影駅〜石切道登山口〜六甲ガーデンテラス〜見晴らしの塔〜六甲山最高峰〜一軒茶屋〜六甲越〜有馬稲荷神社〜有馬温泉 |
| 距離 | 12.6km |
| のぼり/くだり | 1,081m/645m |
| 行動時間 | 4時間56分(9:13〜14:09/休憩1時間4分) |
| コース定数 | 25(きつい)/標準タイム6時間20分 |
| 消費カロリー | 1,600kcal |
| 天気 | 晴れ(雪あり) |
| 人数 | 2人(友人と) |
のぼり1,081mに対してくだりが645mです。有馬温泉が標高350〜500mのところにあるので、下りきらずに終わります。これが六甲山を有馬に下りるルートの良いところで、最後に温泉が待っています。
御影駅から歩き出します

9時13分、阪急神戸線の御影駅からスタート。ここから石切道の登山口まで、街を52分歩きます。

2月11日です。梅が咲いていました。

途中に「六甲山の自然は絶頂 石カフェ」という手書きの看板が出ていました。周りを見てもカフェらしきものはありません。奥には石材が積み上げられています。
このあたりは石屋さんの並ぶ地区です。それが、この日の道の名前につながります。
石切道は、御影石を運んだ道でした

10時5分、石切道の登山口。分岐に、花崗岩に直接「石切道」と彫り込んだ道標が置かれていました。看板ではなく、石です。
この道は、御影石を切り出して運んだ道です。六甲山の花崗岩は「御影石」と呼ばれて近畿一円で使われました。登山道の途中の採石場跡には、楔(くさび)の跡が残る岩を見ることができます(六甲山エリア公式サイト「石切道」)。
採石の歴史がまとまった資料があったので、年表として書いておきます(六甲山を活用する会「六甲山の花崗岩と石切道」)。
- 1583年(天正11年) 豊臣秀吉の大坂城築城にあたり、六甲山地の花崗岩を使用
- 1589年(天正17年) 京都の橋の付け替え工事に、住吉で採石された石材を利用
- 1594年(文禄3年) 東灘区最古の石造品とみられる地蔵尊が作られる
- 1692年(元禄5年) 住吉の石工の技術が評価され、大楠公碑の建設に指名される
- 1716〜1736年ごろ(享保年間) 採石の最盛期
- 1734年(享保19年) 97隻中30隻の石船が記録され、「御影石」の商品名が定着
- 大正時代 セメントの進出により採石が減少
「本御影石」は長石が淡紅色で黒雲母も少なく、さびを生じることも少ない石材で、産出が少ないため貴重とされています。
いま歩いている道を、400年前は石を積んだ人が下りていたわけです。そう思うと、なんてことのない登り坂の見え方が変わります。

石切道は人が少なくて、歩きやすい良い道でした。標高を上げると雪が出てきます。

笹の葉で舟を作りました。子どものころによく作ったなあ、と少し感傷に浸りました。

笹の葉に雪が乗って、緑と白の縞になっていました。冬しか見られない模様です。
エビの尻尾が付いていました

山上に出ると、枝に白い氷が付いていました。風上に向かって伸びる、あの形です。「エビの尻尾」と呼ばれるやつの、ミニサイズでした。

寒いけれど日差しは暖かい、良い登山日和でした。神戸の街と大阪湾が広く見えます。

11時25分、六甲ガーデンテラス。商業施設で、六甲山カンツリーハウスや六甲有馬ロープウェーの六甲山頂駅が隣接しています(Wikipedia「六甲山」)。
ジンギスカンが食べられませんでした

この日の目的のひとつが、六甲山ジンギスカンパレスの食べ放題でした。
着いたら、リニューアルのため3月中旬まで休業中。貼り紙がしてありました。うなだれました。
※これは2020年2月時点の話です。その後リニューアルは終わっていて、いまは営業しています。場所は神戸市灘区六甲山町一ケ谷1番32号です(兵庫県観光サイト)。行く前に営業日と時間を確認してください。

仕方がないので近くのレストランに入って、カツカレーを食べました。
これがめちゃくちゃうまかったです。800円くらい。文句なし。むしろプラスでした。
六甲山最高峰から有馬へ

12時55分、六甲山最高峰(931m)。
六甲山は東西30km以上にわたって続く山地の総称で、南北の幅はおおむね5km未満。931mが最高地点です。山の大部分は約1億年前に地下深くで生まれた花崗岩でできていて、第四紀、百万年前以後の「六甲変動」と呼ばれる地殻変動によって最高部が900m以上まで隆起し、いまも変動を続けています(Wikipedia「六甲山」、YAMAP「六甲山」)。
朝に見た御影石も、この花崗岩です。石を切り出した道を登って、その石ができた山の上に立っていることになります。
山頂近くには一軒茶屋があります。魚屋道(ととやみち)の休憩所として建てられたもので、いまも営業しています。

13時5分に六甲越、14時8分に有馬稲荷神社。有馬側に下ります。
六甲山はルートが本当に多い山です。少しずつコンプリートしたいと思っています。
有馬温泉。今日は旅館の日帰り入浴にしました

14時9分、有馬温泉でゴール。
温泉街を歩いていると、道端から湯気がもうもうと上がっていました。天神泉源です。菅原道真を祀る天神社の境内に湧く源泉で、地下206mから泉温98.2度の湯が出ています。有馬温泉の「金泉」=含鉄・ナトリウム・塩化物強塩高温泉の中心的な泉源です(ニッポン旅マガジン「天神泉源(金泉)」)。
有馬温泉は日本三古湯のひとつで、枕草子の三名泉にも数えられ、室町時代には草津温泉・下呂温泉とともに「三名泉」、江戸時代には「天下の三名泉」と記録されています。江戸時代の温泉番付では西大関でした。標高350〜500mの山峡にあります。金泉は鉄分が多く、無色透明の湯が空気に触れると赤褐色に変わります。もうひとつの「銀泉」は炭酸ラジウム混合低温泉で、こちらは透明です(Wikipedia「有馬温泉」)。
この日は、いつも入っている銀の湯ではなく、奮発して旅館の日帰り入浴を利用しました。1000円前後です。
これが良かったです。混んでいないし、ゆっくりできます。外湯は安いぶん人が多いので、たまにはこちらもおすすめです。
風呂上がりはビールでした。これが一番です。
道の名前を調べると、山の見え方が変わります
石切道という名前は、聞いただけだと「石が多いのかな」くらいに思います。
実際は、400年前から大正時代まで御影石を運び下ろしていた道でした。大坂城の石垣にも使われた石です。登山口の道標が花崗岩そのものに彫られているのも、意味があってのことだったわけです。
六甲山はルートの多い山です。同じ山頂に立つのでも、どの道から登ったかで持ち帰るものが変わります。
まとめ
- 2020年2月11日、阪急御影駅から石切道で六甲山最高峰へ、有馬温泉に下山。12.6km、4時間56分、のぼり1,081m
- 石切道は御影石を切り出して運んだ道。登山口の道標は花崗岩に「石切道」と彫ってあります
- 採石は1583年の大坂城築城から始まり、享保年間(1716〜1736年ごろ)が最盛期。大正時代にセメントの進出で減少しました
- 六甲山(931m)の大部分は約1億年前の花崗岩。百万年前以後の「六甲変動」で900m以上まで隆起しました
- 山上には雪が残り、枝に「エビの尻尾」のミニサイズが付いていました
- ジンギスカンパレスは当時リニューアル休業中。カツカレーで代替しました(現在は営業しています)
- 有馬温泉の天神泉源は地下206m、泉温98.2度の金泉です
- 外湯ではなく旅館の日帰り入浴(1000円前後)も、混まなくておすすめです
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