2020年6月28日、京都のお寺を歩いてきました。
今回は山ではありません。梅雨の合間に晴れ間が出たので、東福寺の塔頭・毘沙門堂 勝林寺と、そのお隣の東福寺へ。
目当ては花手水(はなちょうず)と青もみじでした。
コースデータ
| 場所 | 毘沙門堂 勝林寺・東福寺/京都市東山区 |
| 日付 | 2020年6月28日(日) |
| ルート | 東福寺駅〜勝林寺〜東福寺(本坊庭園・通天橋・開山堂)〜東福寺駅 |
| 距離 | 2.6km |
| のぼり/くだり | 47m/45m |
| 行動時間 | 1時間8分(15:11〜16:20/うち休憩5分) |
| コース定数 | 2(やさしい)/標準タイム53分 |
| 標高 | 36m〜58m(GPSの記録) |
| 天気 | 曇り |
| 種別 | ウォーキング |
勝林寺へ

15時11分、JR・京阪の東福寺駅からスタート。7分ほど歩くと、幟の並ぶ階段が出てきます。
勝林寺は東福寺の塔頭のひとつで、天文19年(1550年)に東福寺第205世住持の高岳令松(こうがくれいしょう)禅師が「勝林庵」として創建したお寺です。本山である東福寺の鬼門(北方)にあたる場所にあり、仏法と北方を守るところから「東福寺の毘沙門天」と呼ばれています(毘沙門堂 勝林寺 公式サイト)。
本尊の毘沙門天立像は財福と戦勝の神とされ、平安時代後期の作と伝わります。長く東福寺の仏殿の天井裏にひそかに安置されていたものが、江戸時代に開山・高岳令松の霊告によって発見されたそうです(京都観光Navi)。
天井裏で見つかった本尊、というのはなかなかの話です。

15時21分。これが見たかったんです。
花手水は、手水鉢に季節の花を浮かべたものです。夏らしい色が並んでいて、石の灰色との対比がきれいでした。写真映えという言葉がぴったりです。

境内の庭には、大きな石の上になまずがいました。
苔と石となまず。組み合わせとしては変なのに、なぜか収まりがいい。こういうものを置く感覚が京都らしいなと思いました。

そしてこれが「吉祥紅葉(きちじょうもみじ)」。
立て札によると、古来より紅葉の美しさから吉祥天が宿るもみじとされ、「美しさ」「良縁」を求める女性にご利益があり、邪気を払うとされているそうです。
6月なので、当然まだ青い。ただ、この青もみじがまた良いんです。秋の赤は主役ですが、夏の青は苔と一緒になって庭全体を緑にします。
ちなみに勝林寺では坐禅や写経、写仏の体験もできます(京都観光Navi)。この日は庭を見るだけでしたが、次は座ってみたい。
東福寺、八相の庭
15時31分、お隣の東福寺へ。
東福寺は嘉禎2年(1236年)から建長7年(1255年)まで、19年かけて造営された寺です。造ったのは摂政の九條道家。奈良の東大寺と興福寺になぞらえて、「東」と「福」の字を取って名付けられました。開山は聖一国師(円爾弁円)です(東福寺 公式サイト)。

15時41分、本坊庭園。通称「八相の庭」です。
作庭したのは重森三玲(1896-1975)。昭和14年(1939年)の6月27日から11月11日にかけて作られました。「八相」の名は、北斗七星・蓬莱・瀛洲・壺梁・方丈・京都五山・須弥山・市松という8つの意匠を盛り込んだことと、それが「釈迦八相成道」にもあたることに由来します。2014年に国指定名勝になりました(東福寺 公式サイト)。
写真の円柱が立っているのが東庭で、これが北斗七星です。円柱と白川砂と苔と、背後の二重生垣だけで星座を表している。言われないと分かりませんが、言われると納得します。

そして、いちばん有名なのがこの北庭です。
苔と切石の市松模様。この切石は、もともと勅使門から方丈に向けて敷きつめられていたものを再利用したものだそうです。市松が北側に向かって消えていく、という表現になっています(東福寺 公式サイト)。
1939年に作られた庭が、いま見ても新しく見える。むしろ現代のデザインのように見えます。
通天橋と、開山堂

15時55分、通天橋(つうてんきょう)。
洗玉澗(せんぎょくかん)という渓谷を渡って、本堂と開山堂をつなぐ橋廊です。天授6年(1380年)に春屋妙葩が架けたとされています。眼下に楓が広がっていて、秋は京都屈指の眺めになります(東福寺 公式サイト)。
この日は閉館間近で、人がいませんでした。おかげで誰も写っていない写真が撮れました。紅葉の時期にはまず無理でしょう。

15時58分、開山堂の庭。
この日いちばん良かったのが、ここでした。刈り込まれた植栽が段になって並んでいて、有名な八相の庭よりも、こちらのほうが目に残りました。
苔がとにかくきれいで、転がりたくなります。もちろん転がりませんが。

境内には紫陽花も咲いていました。
6月下旬なので、ちょうど見ごろです。青もみじと苔と紫陽花。この時期の京都は、緑と青でできています。
最後はハンバーガー

16時20分に東福寺駅へ戻って、近くで見つけたハンバーガー屋さんへ。
専門店のハンバーガーを食べたのは、このときが初めてでした。おいしかったです。
そのあと、せっかく京都まで来たのだからと、ビールも飲んで帰りました。
2.6km、1時間8分の京都
この日の記録は2.6km、1時間8分。コース定数は2です。
山の記事に混ざると数字がかわいすぎますが、内容は濃かったと思います。駅から歩いて7分で1550年創建のお寺、その隣に1236年からの大伽藍と1939年の名庭。移動距離のわりに、見るものが詰まっています。
それと、この時期に行ったのは結果的に良かったです。東福寺は紅葉の名所なので、秋は人が多い。6月の夕方近くなら、日曜でも通天橋に誰もいません。
青もみじの季節は、紅葉の季節の「安い版」ではありません。緑には緑の良さがあって、しかも空いている。梅雨の晴れ間を狙って行くのは、なかなか良い手だと思いました。
秋にも行ってみたいですが、あの静けさはもう味わえないんだろうな、とも思います。
まとめ
- 東福寺駅から勝林寺と東福寺を歩いて2.6km・1時間8分。コース定数2の「やさしい」
- 勝林寺は天文19年(1550年)創建の東福寺塔頭。東福寺の鬼門(北方)を守り、「東福寺の毘沙門天」と呼ばれます
- 本尊の毘沙門天立像は平安後期の作と伝わり、江戸時代に東福寺仏殿の天井裏で発見されました
- 勝林寺の花手水は季節の花が浮かべられていて、夏でも十分見ごたえがあります
- 「吉祥紅葉」は美しさと良縁を求める女性にご利益があるとされるもみじ。6月は青もみじです
- 東福寺は嘉禎2年(1236年)から19年かけて造営。九條道家が東大寺と興福寺になぞらえて名付けました
- 本坊庭園「八相の庭」は重森三玲が昭和14年(1939年)に作庭。2014年に国指定名勝になりました
- 北庭の市松模様は、勅使門から方丈へ敷かれていた切石の再利用です
- 通天橋は天授6年(1380年)に架けられたとされる橋廊。6月の閉館間近なら人がいません
- 勝林寺では坐禅・写経・写仏の体験ができます
山ばかり歩いていると忘れがちですが、こういう日もいいものです。
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