2020年1月13日、新神戸駅から六甲山を越えて有馬温泉まで走ってきました。布引の滝、トゥエンティクロス、徳川道、新穂高、穂高湖、六甲山最高峰と通って19.9km、6時間36分です。
きつかったら途中で降りようと思っていましたが、天気が良くて体も軽かったので、想定していたルートを最後まで行けました。
先に注意点を2つ
このコースはYAMAPのタグに「危険箇所あり」が付いています。2つ書いておきます。
- トゥエンティクロスの途中が崩落していました。この日(2020年1月)の状態です。現在の状況は必ず最新の情報で確認してください。六甲山は花崗岩が風化した地質で崩れやすく、大雨のたびに状況が変わります
- 新穂高への道は、人の気配がなさすぎて怖かったです。ルートはありますが、行く方は気をつけてください
コースデータ
| 山 | 新穂高(648m)/六甲山(931m) |
| 場所 | 兵庫県神戸市中央区・灘区〜神戸市北区(有馬) |
| 日付 | 2020年1月13日(月・成人の日) |
| ルート | 新神戸駅〜布引の滝〜トゥエンティクロス〜徳川道〜東門〜新穂高〜穂高湖〜杣谷峠〜三国池〜三国岩〜六甲ガーデンテラス〜六甲山最高峰〜一軒茶屋〜六甲越〜有馬稲荷神社〜炭酸泉源公園〜有馬温泉 銀の湯 |
| 距離 | 19.9km |
| のぼり/くだり | 1,403m/1,054m |
| 行動時間 | 6時間36分(8:50〜15:26/休憩1時間9分) |
| コース定数 | 36(きつい)/標準タイム9時間29分 |
| 消費カロリー | 2,222kcal |
| 天気 | 晴れ |
| 人数 | 2人 |
| 種別 | トレイルランニング |
コース定数36。標準タイム9時間29分を6時間36分です。日記には「あんま走ってないけど…」と書いていました。
新神戸駅の裏が、いきなり滝です

8時50分、新神戸駅からスタート。新幹線の駅です。

8時56分、もう滝です。布引の滝。
新幹線の駅から6分でこれが出てくるのが、神戸のすごいところだと思います。
布引の滝は上流から順に、雄滝(おんたき)、夫婦滝(めおとだき)、鼓滝(つづみだき)、雌滝(めんたき)の4つの総称です。雄滝は高さ43m。和歌山県の那智の滝、栃木県の華厳の滝と並ぶ「日本三大神滝」とされ、日本の滝百選にも選ばれています。平安時代の歌物語『伊勢物語』や歴史物語『栄花物語』をはじめ、古くから宮廷貴族たちが和歌に詠んできました(Wikipedia「布引の滝 (兵庫県)」、六甲山エリア公式サイト「布引コース」)。
新神戸駅から徒歩8〜10分で雌滝、そこから徒歩8分で雄滝です。走らなくても行けます。

9時2分、猿のかずら橋。
トゥエンティクロスは「二十渉」でした
ここからトゥエンティクロスに入ります。
変わった名前ですが、由来がはっきりしています。布引の滝から森林植物園に向かう途中のこの道は、谷川を何度も渡ることから「二十渉」と書かれ、明治初期に登山していた外国人たちによって「Twenty Cross」と名づけられました(HILLS BEHIND KOBE「トゥエンティクロス道標の表記がバラバラな件について調べてみた。」)。
ちなみに、この道は表記が統一されていません。「トゥエンティクロス」「トエンティクロス」「トウェンティクロス」など、道標によってバラバラです。上のサイトが8種類確認しています。

9時45分、途中で崩落しているところがありました。土砂と倒木が流れ出しています。
六甲山は風化した花崗岩でできているため、草木が除かれ土壌が流出すると雨により崩壊しやすいという地質です(Wikipedia「六甲山」)。この写真は2020年1月の状態です。行く前に必ず最新の通行情報を確認してください。

崩れた場所の写真を撮っていたら、虹が出てきました。看板は「あじさい広場 神戸中央山の会」。

9時52分、河童橋の周辺。ここが今日いちばんきれいでした。おすすめです。
このあたりからは徳川道を通ります。この道にも由来があります。
正式には「西国往還付替道」といって、慶応3年(1867年)12月7日に開通しました。兵庫港の開港にあたり、生麦事件のような外国人と大名行列の衝突を避けるために、幕府が六甲山を抜ける迂回路として作ったものです。石屋川(神戸市東灘区)から大蔵谷(明石市)まで全長約33km、総予算は当時の貨幣で36,189両でした。
ところが、開通のわずか3か月後、慶応4年(1868年)3月に外国人居留地を小さく迂回する別の道ができ、同時に江戸幕府が崩壊して参勤交代も廃止されたため、公式に使われることはありませんでした(Weblio辞書「徳川道」)。
33kmの道を作って、3か月で用済み。いま僕らが走っているのは、その道です。
兵庫にも「穂高」がありました

11時25分、新穂高(648m)。
険しい道をかき分けて登りました。兵庫にも穂高の名を冠する山があるとは、知りませんでした。
ただ、ここまでの道は人の気配がまったくありませんでした。ルートはあるのですが、正直、怖かったです。行く方は気をつけてください。これはこれで、いい経験にはなりました。

11時57分、穂高湖。ここで30分休みました。
穂高湖は人工湖です。名前の由来は、森林と一体化しているような風情があって上高地の大正池に似ているところから命名されたとのこと。六甲山地の山上の湖沼のなかでは修法ヶ原池に次ぐ大きさで、隣に神戸市立自然の家があります(Wikipedia「穂高湖」)。
なるほど、大正池だから穂高、で新穂高。名前がつながっていました。

12時53分に三国池、12時57分に三国岩。
昔の国同士の分岐点だったらしい、と聞きました。ただ、この話の出典は確認できていません。ご存じの方がいたら教えてください。
なお三国池のほとりには、六甲山の開発の祖とされるイギリス人貿易商アーサー・ヘスケス・グルームが、明治28年(1895年)6月に別荘を建てています(神戸まちガイド「三国池」)。
六甲山最高峰、931m

14時19分、六甲山最高峰(931m)。
山のポーズをして写真を撮りました。天気は最後まで良かったです。

14時29分に一軒茶屋、14時30分に六甲越。ここから有馬へ下ります。道標には「六甲最高峰 1.8km 約45分」「太陽と緑の道」とありました。
昔は「毒水」と呼ばれていた炭酸泉

15時17分、有馬の炭酸泉源公園。

屋根の下に、丸い井戸があります。ここに湧いているのが炭酸泉源です。
この炭酸泉には歴史があります。以前は「鳥類、虫、けだものがこの水を飲めばたちどころに死すなり」といわれ、毒水と恐れられていました。それが明治8年に内務省司薬場が検査を行い、飲料水としても優れていることが判明します。明治19年には泉源の上に上屋が建てられました。
そして明治34年、有馬鉱泉株式会社がガス入りミネラルウォーターを製造し、神戸居留地の外国人や外国航路向けに発売。有馬は国内のサイダー発祥の地とされています。有名な炭酸せんべいも、この温泉が起源です。泉質は単純二酸化炭素冷鉱泉、地下19mから湧出、泉温13度(ニッポン旅マガジン「炭酸泉源(銀泉)」)。
毒水と呼ばれていたものが、検査ひとつでサイダーになる。おもしろい話です。

15時26分、有馬温泉の銀の湯でゴール。
有馬温泉の公的な外湯は「金の湯」(金泉)と「銀の湯」(銀泉)の2つです。金泉は含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉で、空気に触れると赤褐色になります。銀泉は炭酸ラジウム混合低温泉で、こちらは透明です(Wikipedia「有馬温泉」)。
有馬温泉は相変わらず人が多かったです。いい湯でした。
そのあとビールとからあげ。感謝感謝です。
名前を調べると、だいたい理由があります
この日出てきた名前を並べてみます。
- トゥエンティクロス=谷川を何度も渡るから「二十渉」、それを明治の外国人が Twenty Cross と呼んだ
- 徳川道=開港で外国人と大名行列がぶつからないよう幕府が作った迂回路。3か月で用済み
- 穂高湖=上高地の大正池に似ているから
- 新穂高=その穂高湖の上にあるから(たぶん)
神戸の山は、名前に外国人と幕末が入り込んでいます。港町の裏山だから、というのが理由だと思います。
六甲山はルートが本当に多いので、まだまだ行きます。
まとめ
- 2020年1月13日、新神戸駅から六甲山を越えて有馬温泉まで19.9km、6時間36分、のぼり1,403m
- 布引の滝は雄滝・夫婦滝・鼓滝・雌滝の総称。雄滝は高さ43m。那智の滝、華厳の滝と並ぶ「日本三大神滝」です
- トゥエンティクロスは「二十渉」から。明治初期の外国人が Twenty Cross と名づけました
- トゥエンティクロスの途中が崩落していました(2020年1月時点)。最新情報を確認してください
- 徳川道は慶応3年(1867年)12月7日開通の迂回路。3か月後には使われなくなりました
- 新穂高(648m)への道は人の気配がなく、怖かったです
- 穂高湖は人工湖。上高地の大正池に似ているから「穂高」です
- 有馬の炭酸泉は昔「毒水」と呼ばれ、明治8年の検査で飲用可と判明。明治34年にサイダーになりました
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六甲山・長峰山・摩耶山トレラン -2020-01-13 / 山走男さんの六甲山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
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