2020年8月20日から22日まで、北アルプスへ行ってきました。
上高地から涸沢カールに入り、そこにテントを2泊張って、北穂高岳と穂高岳山荘まで往復するという計画です。テント泊は、これが初めてでした。
いきなり北アルプスで初テント泊というのは、我ながら思い切ったなと思います。ただ、やってみて分かったことがたくさんありました。
コースデータ
| 山 | 北穂高岳(3,106m)・涸沢カール/長野県・岐阜県 |
| 日付 | 2020年8月20日(木)〜22日(土) 2泊3日・テント泊 |
| ルート | 【1日目】上高地〜河童橋〜岳沢湿原〜明神池〜徳沢〜横尾〜涸沢 【2日目】涸沢〜北穂高岳(往復) 【3日目】涸沢〜穂高岳山荘(往復)〜横尾〜徳沢〜明神〜上高地 |
| 距離 | 40.3km(1日目17.3km/2日目3.6km/3日目19.3km) |
| のぼり/くだり | 2,706m/2,706m |
| 行動時間 | 25時間57分(1日目7時間54分/2日目6時間27分/3日目11時間35分) |
| コース定数 | 76(きつい)/標準タイム21時間5分 |
| 標高 | 1,500m〜3,098m(GPSの記録) |
| 天気 | 晴れ(一時スコール) |
| 同行者 | 2人 |
1日目:上高地から涸沢まで17km
スタートは岐阜県側のあかんだな駐車場。朝4時39分に到着して、始発のシャトルバスで上高地へ入りました。
上高地はマイカーで入れないので、岐阜方面から車で行くならここに停めてバスかタクシーに乗り換えます。駐車料金は普通車600円(24時間)です(上高地公式ウェブサイト)。

5時51分、上高地インフォメーションセンターから歩き始めました。
この時間の上高地は、まだ靄がかかっていました。標高は1,500mほど。真夏の朝なのに空気が冷たくて、いきなり別の場所に来たという感じがします。

6時12分、岳沢湿原。
立ち枯れの木と、水面から立つ靄と、そこに差し込む朝日。歩き始めて20分でこれです。この日はまだ17km歩くというのに、もう何度も足を止めていました。

7時20分、明神に到着。少し寄り道して明神池へ。
ここは穂高神社奥宮の神苑です。池は一之池と二之池に分かれていて、写真は一之池。水面が鏡のようになっていて、風がほとんど無い朝でした(上高地旅行プランガイド)。
ちなみに穂高神社の本宮は、長野県の安曇野にあります。北アルプスの総鎮守だそうです。
そのあとは徳沢(8時37分)、横尾(9時47分)と進んで、横尾から本格的な登り。涸沢に着いたのが13時22分でした。1日目は17.3km、のぼり990m。距離は長いですが、横尾まではほぼ平坦な道です。
涸沢カールにテントを張る

これが自分のテントです。
涸沢カールは、カール底の標高が2,300m。直径約2kmの、日本最大規模のカール(氷河が削った谷)です。カール壁のいちばん高いところが奥穂高岳(3,190m)になります(Wikipedia「涸沢カール」)。
テント場は岩だらけです。平らな場所を探して、石を動かして、そこにテントを張る。ここまで全部背負ってきた道具で寝床を作るという作業が、思っていた以上に楽しかったです。
2020年の夏だったので、涸沢ヒュッテの受付にはコロナ対策の掲示がたくさん出ていました。テント受付は15時30分から17時まで、それまではテント場内で待つ、といった案内です。今読み返すと、あの年らしい記録だなと思います。

18時34分、晩ごはん。ホタテの缶詰とアルファ米です。
山小屋なら座って待っていれば出てくるごはんを、自分で湯を沸かして作る。手間はかかりますが、これが面白い。同じ山でも、泊まり方でこんなに変わるんだなと思いました。
2日目:モルゲンロートと北穂高岳

朝5時15分。テントから出たら、これでした。
モルゲンロートはドイツ語の Morgenrot から来ていて、朝日が出る前に山がバラ色に染まる現象のことです(コトバンク)。
言葉としては知っていましたが、実際に見ると、岩壁全体がオレンジ色になります。しかもこの日と翌日、2日続けて見ることができました。テント泊でなければ、この時間にここには居られません。

朝6時18分。日が高くなってからのテント場です。
岩の斜面に色とりどりのテントが散らばっていて、背後に穂高の岩壁。この景色を見るためだけに来てもいいと思いました。

9時2分、北穂高岳の南峰。9時12分に北峰。
北穂高岳は標高3,106m。涸沢カールを懐に抱えた山です(YAMA HACK)。
山頂から北を見ると、槍ヶ岳が尖って立っていました。まだ登ったことのない山です。この時は「まってろよー」と思いながら眺めていました。
涸沢からの登りは標高差800mちょっと。距離が短いぶん、ずっと急でした。途中には断崖のような場所もあります。2日目は3.6kmしか歩いていませんが、のぼり813m・くだり812mで、行動時間は6時間27分かかっています。

北穂高小屋で1時間ちょっと休憩。小屋の裏に回ると、雲の上に山が並ぶ景色が広がっていました。
足元がすぐ切れ落ちているので、立つ場所は選んだほうがいいと思います。

夜の涸沢です。
山小屋に泊まっていたら、消灯後にわざわざ外に出ることは少ないと思います。テントなら、寝る場所のすぐ外がこれです。寒いのを我慢して外に出る価値はありました。
3日目:穂高岳山荘まで登って、下山

4時56分、テント場を出発。
この日もモルゲンロートでした。2日続けて見られるのは、運がよかったと思います。
6時43分、穂高岳山荘に到着。ここは奥穂高岳と涸沢岳のあいだの「白出(しらだし)のコル」(2,996m)に建っていて、岐阜県と長野県の県境にあたります。大正14年に今田重太郎が建てた「穂高小屋」が始まりだそうです(穂高岳山荘 公式サイト)。
この日は奥穂高岳までは行かず、山荘で引き返しました。テントを撤収して、そこから上高地まで19.3kmの下山です。

16時24分、河童橋。3日目は11時間35分かかりました。
着いたころには空がどんよりしていました。3日間、山の上ではほぼ晴れていて、下りてきたら曇り。運がよかったと思います。
初めてのテント泊で分かったこと
いちばん大きかったのは、時間の使い方が変わることでした。
朝5時15分のモルゲンロートも、夜の星空も、そこに泊まっていなければ見られません。日帰りだとどうしても「登って、下りる」だけになりますが、テントを張ると、その場所で過ごす時間が生まれます。
その代わり、荷物は重いです。テント、シュラフ、マット、バーナー、食料、水。全部背負って17km歩いて標高差990mを登る。1日目の後半はけっこうこたえました。
コース定数は76で「きつい」。3日間の合計とはいえ、この数字は正直です。テント泊が初めてなら、涸沢のようにベースにできる場所を決めて、そこから往復する形にしたのは正解だったと思います。テントを担いで縦走までやっていたら、たぶん潰れていました。
あと、雷とスコールに一度あいました。夏の北アルプスなので、これは想定内です。天気は上々でしたが、午後に崩れる前提で動くのが大事だと思います。
まとめ
- 上高地を起点に、涸沢カールをベースにした2泊3日のテント泊。40.3km・のぼり2,706m・行動時間25時間57分
- コース定数76の「きつい」。1日目17.3km、2日目3.6km、3日目19.3kmと日ごとの差が大きいです
- 1日目は上高地から横尾までほぼ平坦。本格的な登りは横尾から涸沢の区間だけです
- 涸沢カールはカール底が標高2,300m、直径約2kmで日本最大規模のカール
- 2日目に北穂高岳(3,106m)を往復。距離3.6kmでのぼり813m、行動時間6時間27分と、短いわりに時間がかかります
- 3日目は穂高岳山荘(白出のコル・2,996m)まで往復してから下山。奥穂高岳までは行っていません
- 2日続けてモルゲンロートを見られました。朝5時台の景色はテント泊ならではです
- 明神池は穂高神社奥宮の神苑。本宮は安曇野にあります
- あかんだな駐車場(岐阜県側)に車を停めて、シャトルバスで上高地へ。駐車料金は普通車600円/24時間
- 2020年8月なので、山小屋にはコロナ対策の掲示が多く出ていました
これからテントを使い倒すぞ、と思った3日間でした。
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