2024年6月8日、常念岳(じょうねんだけ・2,857m)に登ってきました。松本平からいつも見えている、あの三角の山です。安曇野の一ノ沢登山口から往復する日帰りルートで行きました。
結果から言うと、天気は最高。常念乗越に出た瞬間、雪をかぶった槍・穂高が正面に並んでいました。山頂は一時ガスに包まれましたが、待っていたら開けてくれました。ライチョウにも会えています。
6月上旬の残雪の状況、駐車場の混み方、常念小屋のメニューまでまとめます。
コースデータ
| 山 | 常念岳(2,857m)/北アルプス・常念山脈 |
| 日付 | 2024年6月8日(土) |
| ルート | 一ノ沢登山口から往復 |
| 距離 | 15.2km |
| のぼり/くだり | 1,730m / 1,687m |
| 行動時間 | 9時間55分(4:46〜14:41) |
| 標高 | 1,216m〜2,854m(GPSの記録) |
| 天気 | 晴れ |
| 同行者 | 会社の上司と |
YAMAPのコース定数は39で「きつい」。標準タイムは9時間50分と出ていて、実際も9時間55分でした。休憩をしっかり取ってこの時間なので、日帰りで行くならそれなりに長い一日になります。
常念岳について
常念岳は長野県安曇野市と松本市の境にある標高2,857mの山です。日本百名山のひとつ。松本平のどこからでも見える三角形の山で、安曇野に住んでいると毎日目に入ります。
登山道は一ノ沢からと三股からの2本が代表的です。今回使った一ノ沢ルートは、沢沿いをずっと登っていく道。常念小屋の公式サイトでは「沢沿いを進むため水の心配がなく、比較的安全なコース」と紹介されていて、登山口から常念乗越までの標高差は約1,200mとされています。
常念乗越(じょうねんのっこし)は標高約2,460mの鞍部で、そこに常念小屋が建っています。山頂はさらにそこから約400m登った先です。
アクセス・駐車場
登山口は安曇野市堀金の一ノ沢です。駐車場は無料で2か所あります。
| 駐車場 | 台数 | 登山口まで |
|---|---|---|
| 第1駐車場 | 約30台 | 徒歩約15分(約1.1km) |
| 第2駐車場 | 約30台 | 徒歩約15分(約1.1km) |
4時40分ごろに着いたら、第1駐車場はすでに満車でした。第2駐車場は半分ほど空いていて、そこに停められました。6月上旬でシーズン前だから余裕だろうと思っていたら、意外とぎりぎりです。

車以外の手段としてはタクシーがあります。登山口にタクシー会社の案内看板が立っていました。安曇野市の情報では、穂高駅前から第1駐車場まで約35分・6,400円〜とのことです。

注意点がひとつ。登山口周辺は携帯電話が圏外です。帰りのタクシーを呼ぶなら、常念小屋など電波の届く場所で予約しておく必要があります。
それから、安曇野市の登山者駐車場情報サイトには「林道一の沢線は一般車両通行止め中」という案内が出ています(2026年8月時点で確認)。状況は年によって変わるので、行く前に必ず最新の情報を見てください。この記事の内容は2024年6月に行ったときのものです。
コースタイム一覧
| 時刻 | 地点 |
|---|---|
| 04:46 | 第2駐車場を出発(GPS計測開始) |
| 04:50 | 第1駐車場 |
| 05:06〜05:13 | 一ノ沢登山口 |
| 06:08 | 大滝ベンチ付近 |
| 06:19 | 崩落箇所 |
| 06:51 | 笠原沢 |
| 07:43 | 最終水場付近(雪渓) |
| 08:21〜08:39 | 常念乗越・常念小屋テント場 |
| 09:33〜09:53 | 常念岳 山頂 |
| 10:29〜10:50 | 常念小屋 |
| 10:50〜11:42 | 常念乗越(昼食) |
| 14:14〜14:18 | 一ノ沢登山口 |
| 14:41 | 駐車場(GPS計測終了) |
登山口から常念乗越まで3時間8分、そこから山頂まで1時間4分。下りは常念乗越から登山口まで2時間32分でした。
区間レポート
駐車場から登山口へ
駐車場から登山口までは林道を1kmほど歩きます。距離にして15分ぐらい。まだ薄暗い時間ですが、同じ方向に歩く人がぱらぱらといました。
登山口には登山相談所の建物とトイレがあります。ここで登山届を出して出発です。

この道標が示すとおり、常念乗越までで1,160mほど登ることになります。
沢沿いの道
一ノ沢ルートは、名前のとおり沢に沿って登ります。ずっと水音が聞こえていて、暑い日は涼しく感じられる道です。
ただ、この時期は雪解けで水量が多めでした。沢そのものが増水しているだけでなく、雪解け水が登山道の上を流れている場所がいくつもあります。靴が濡れないよう、足の置き場を選びながら歩く区間がありました。

道中には要所要所に道標が立っていて、山頂までの残り距離と標高が書かれています。大滝、笠原沢、最終水場と、目印が順番に出てくるので、自分がどのへんにいるか分かりやすいコースです。
崩落箇所
6時19分、斜面が崩れている場所を通過しました。細いトラバースで、ロープが張ってあります。足元がもろいので、一人ずつ慎重に渡りました。

あとから聞いた話では、この場所には迂回路が作られたそうです。今どうなっているかは、行く前に最新の状況を確認してください。
雪渓と最終水場
標高2,000mを超えたあたりから、雪渓がちらほら現れます。7時43分、最終水場の手前で大きめの雪渓を横切りました。

念のため軽アイゼンを持っていきましたが、結局出番はありませんでした。雪はゆるんでいて、そのまま歩けます。ただし、雪の下を水が流れている場所があるので、踏み抜きには注意が必要です。
年によって残雪の量は変わります。6月に行くなら、軽アイゼンは「使わなくてもザックに入れておく」のが正解だと思います。
最終水場は標高2,250m、山頂まで4.7kmの地点にあります。ここから先に水場はないので、必要なら補給しておく場所です。
常念乗越に出る
最終水場から先は胸突八丁と呼ばれる急な登り。ここを登り切ると、8時21分、常念乗越に出ました。
ここが、このコースでいちばんの瞬間です。

それまで沢沿いの樹林帯をずっと登ってきて、視界がほとんどありません。それが乗越に出た瞬間、目の前に雪をまとった槍・穂高の稜線が現れます。この落差がすごい。
槍ヶ岳の尖った頭もはっきり見えました。松本平からいつも見ている山の裏側に、こんな景色が広がっているわけです。
山頂へ
常念乗越から山頂までは、岩がごろごろした斜面を登ります。標高差は約400m、時間にして1時間ほどでした。
登っている途中で山頂が雲に隠れてしまい、9時19分の時点では真っ白。せっかくここまで来たのにと思いながら登り続けたら、9時30分ごろに雲が動いて視界が開けました。

9時33分、山頂に到着。登山口から4時間20分でした。20分ほど山頂で過ごしています。
下りの途中、10時10分ごろに遠くでライチョウを見かけました。距離があったので写真では小さくしか写っていませんが、いることが分かるだけでうれしいものです。
常念小屋
10時29分に常念小屋へ。常念乗越に建っている山小屋です。

外にランチメニューの看板が出ていました。値段はこんな並びです(2024年6月時点)。

- 牛丼・豚丼 1,000円
- カレーライス 1,000円
- ラーメン 1,000円
- 常念そば・うどん 1,000円
- ビーフシチューライス 1,500円
- 生ビール 1,000円/枝豆 500円/もつ煮 800円
食事は15時までと書かれていました。小屋の中ではオリジナルTシャツも売っています。
常念乗越にはテーブルとベンチがあるので、そこで昼ごはんにしました。持ってきたホットサンドを、槍・穂高を眺めながら食べる。これが今回のいちばんぜいたくな時間だったかもしれません。結局、乗越で52分も過ごしていました。
下山
11時42分に常念乗越を出て、14時14分に登山口。2時間32分の下りでした。
登りで気になった雪渓や崩落箇所を、また通ります。下りのほうが足元が滑りやすいので、行きより慎重に歩きました。
総評
| 道の難しさ | 鎖場・ハシゴなし。ただし崩落箇所のトラバースと雪渓の通過あり |
| 体力 | 15.2km・のぼり1,730m。日帰りだと10時間コース |
| 展望 | 常念乗越まではほぼ樹林帯。乗越から先は槍・穂高が正面 |
| 水 | 沢沿いなので水音は絶えず。最終水場は標高2,250m |
| 6月の残雪 | 雪渓はあるが軽アイゼンは使わずに歩けた(この日は) |
| 混み具合 | 4時40分で第1駐車場が満車 |
技術的に難しい場所はほとんどありません。ただ、歩く距離と登る高さはしっかりあるので、日帰りで行くなら朝は早いほうがいいです。時間に余裕がないなら、常念小屋に一泊する計画のほうが楽しめると思います。
そして、この山の価値は常念乗越に出た瞬間に全部あると言ってもいいくらいです。あの一瞬のために4時起きする価値はありました。
まとめ
- 常念岳は2,857m。一ノ沢からの往復で15.2km、のぼり1,730m
- この日は9時間55分。標準タイムも9時間50分なので、日帰りだと長丁場です
- 駐車場は無料で2か所(各約30台)。4時40分で第1は満車でした
- 登山口は携帯圏外。タクシーを呼ぶなら小屋で予約を
- 6月上旬は雪解け水で沢の水量が多く、道の上を流れている場所もあります
- 雪渓はありましたが、この日は軽アイゼンなしで歩けました
- 崩落したトラバース箇所あり。最新の状況は事前に確認してください
- 常念乗越に出ると、雪をかぶった槍・穂高が正面に並びます
次は隣の蝶ヶ岳です。常念乗越から見えていた稜線を、いつかつなげて歩いてみたいと思っています。
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